観点別評価を意識した、英語リスニングテスト問題づくり

東京都、正答率40.2%・広島県、65%
高校入試問題でも必ず出題されるリスニング問題。
公立高校は全県で出題され、全体の20%前後とウエイトも高い。
また、私立高校においてもリスニング問題を導入する学校も急増しており、何らかの対策が必要とされている。
ここでは、中学英語リスニングテスト50を活用した、リスニングテスト問題づくりを紹介します。
テスト問題・プリント教材づくり 問題データ集シリーズ


暗唱授業とタイピング リスニングテスト作成
中学英語リスニングテス50 
中学テスト問題データ集
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都立高校入試、英語の平均点55.4点でリスニングが苦手

平成16年度都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査報告による 

 東京都の平成16年度都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査報告によると、英語の平均点は、前年度の68.8点から55.4点に下がった。
 特に、必要な情報を聞き取ったり、聞き取った内容について英語で表現したりするリスニングの問題に正答率が低い。
 得点分布をみると、中学校でのコミュニケーション能力を重視した学習の成果がうかがわれるが、今後、英語を苦手とする生徒へのケアが課題になること、記述式の問題の正答率が、記号選択式の問題の正答率に比べ、いずれも低いことが目立った。
 課題として、東京都では、音声による実践的コミュニケーション能力の育成を重視しつつも、初歩的な英語で自分の考えなどを正しく伝える書く力を育成する指導も大切であるとしている。

ア 出題の方針

初歩的な英語を聞いたり読んだりして、話し手や書き手の意向などを理解するとともに、自分の考えなどを表現する基礎的・実践的なコミュニケーション能力をみる。

イ 各問のねらい

大問1 自然な口調で話されたり、読まれたりする英語を聞いて、その具体的な内容や大切な部分を把握したり、聞き取った事柄について英語で表現したりする能力をみる。

大問2 英語によるコミュニケーションを通して身近な課題を解決する能力をみるとともに、必要な情報を得たり、自分の考えを英語で表現したりする能力をみる。

大問3 まとまりのある対話文を読み、その大まかな流れや大切な部分を把握したり、読み取った事柄について英語で表現したりする能力をみる。

大問4 物語文を読み、そのあらすじや大切な部分を把握したり、読み取った事柄について英語で表現したりする能力をみる。

ウ 得点分布状況

英語の得点分布グラフ(平均点 55.4点)

エ 各問の内容及び正答率並びに誤答分析

大問 小問 配点 小問正答率 大問正答率
大問1 〈対話文1〉 57.2% 40.2%
〈対話文2〉 24.2
〈対話文3〉 64.0
〈Question1〉 45.5
〈Question2〉 10.0
大問2 48.7 64.4
79.3
(1) 60.0
(2) 12 69.7
大問3 〔問1〕 63.0 58.6
〔問2〕 80.0
〔問3〕 69.7
〔問4〕 25.7
〔問5〕 62.3
〔問6〕 51.0
〔問7〕 58.3
大問4 〔問1〕 65.2 50.0
〔問2〕 75.2
〔問3〕  (1) 51.2
(2) 70.3
(3) 36.2
〔問4〕  (1) 34.2
(2) 17.7
(注1) 小問及び大問の正答率は完全正答の割合
    (ただし、☆は部分正答も含めた割合)
(注2) ※は記号選択式の問題
(ア) 各問の内容及び正答率

大問1 必要な情報を聞き取ったり、聞き取った内容について英語で表現したりするリスニングの問題とした。

大問2 日本人の生徒が海外で遊園地の入園券を電話で予約する場面などを設定し、英語によるコミュニケーションを通してそれぞれの場面で生じた問題を解決する能力をみる問題とした。 また、英語によるスピーチをする場面を設定し、「学校生活の思い出」をテーマとした自由英作文を出題した。

大問3 4人の中学生がスポーツをすることの目的について討論する対話文を読み、大まかな流れや大切な部分を把握したり、読み取った事柄について英語で表現したりする能力をみる問題とした。

大問4 山に住んで木々の手入れを仕事にしているおじと生活を共にする中で、少年が精神的に成長していく様子を描いた物語文を読み、そのあらすじや大切な部分を把握したり、読み取った事柄について英語で表現したりする能力をみる問題とした。

(イ) 主な誤答例等

大問1 Aの〈対話文2〉では、“Yumiko andTakashi.”とする誤答が多くみられた。Bの〈Question 1〉では、“For three weeks.” とする誤答やスペリングの誤りがみられた。〈Question 2〉では、“Because he likes English (very much).” 又は、“Because he wants to study English.” とする誤答が多かった。質問の内容及び放送の内容の聞き取りが不十分であったと考えられる。

大問2 3(2)の無答は、4.5%(前年比12.5ポイントの減)であり、受検者にとって書きやすいテーマであったと考える。受検者が書いたテーマで多かったのは、「部活動」、「修学旅行などの学校行事」、「友人」などについてであった。

大問3 〔問4〕では、“enjoying” を“ enjoy” とする誤答が極めて多かった。〔問6〕では、“watch” を“watching”とする誤答がみられた。

大問4 〔問4〕(1)では、“He didn't like hard work.” など、質問に正対していない誤答が多かったが、正答率は高かった。(2)では、“He was very proud of our work.” とする誤答や質問に正対していない誤答が多かった。本文の内容及び質問の内容を正確に把握しきれていなかったと考えられる。


オ まとめと指導の改善の視点

(ア) 得点分布から中学校でのコミュニケーション能力を重視した学習の成果がうかがわれるが、このような学習の一層の推進とともに英語を苦手とする生徒へのケアが課題であると考えられる。

(イ) 各大問の記述式の問題の正答率が記号選択式の問題の正答率に比べ、いずれも低いことが目立った。

(ウ) 音声による実践的コミュニケーション能力の育成を重視しつつ、初歩的な英語で自分の考えなどを正しく伝える書く力を育成する指導も大切である。

他の都道府県を見てみると・・・<平成16年 広島県の場合>

(1)が聞き取り問題。大問題全体として、平均65%の正答率となっている。
英語

以下、広島県のリスニングテスト問題と同じ、正答率65%の問題を「中学英語リスニングテスト50」の中から、抽出してみる。


インストールが完了すると、トップメニューが表示されます。
「テスト用紙印刷」の項目の「テスト検索」のボタンをクリックします。


「テスト検索画面」が表示されます。
ここでは、広島県の入試問題の出題傾向にあわせた問題を抽出します。
平成16年 広島県リスニングテスト>>>放送台本

放送台本と問題を分析すると、
「要点理解度」を問う問題が出題されている。

そのため、「テスト検索画面」では、次の項目にチェックボタンをつけるようにする。

テスト時間:3分〜10分
題材:対話文
設問種類:英語による質問


<検索>ボタンをクリック。


「テスト一覧」画面が表示されます。

上記の検索項目に該当した問題が表示されます。

「評価基準」の項目の欄には、収録されている50問の問題のすべてに観点別評価基準に即した問題が用意されている。

A:正確な聞き取り
B:適切な聞き取り
C:言語についての知識
D:文化についての理解

広島県の入試問題では、B:「適切な聞き取り」と同じ傾向の問題といえる。

同時に、題材が「対話文」形式であり、難易度も3年次指導内容を一部、含んでいるので、
問題番号42「テリーとリンダの会話」が広島県のリスニングテスト問題と類似傾向の問題といえる。
問題番号42「テリーとリンダの会話」の問題を「印刷プレビュー」ボタンでクリックすると、問題が拡大表示されます。

この画面で、問題用紙と解答を印刷しておきます。



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