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教科書。どことなく堅苦しく、それが時にはギャグの対象になる(例:清水義範・永遠のジャックアンドベティ)本。国内で論議の対象になるだけではなく、海外、特に中国・韓国など、アジア圏の注目を集める本。こどもの知識の中核をなしている本。

教科書は、どういう過程を経て、「教科書」となっていくのだろうか。

簡単に言ってしまえば、

1:編集・執筆 → 2:検定 → 3:採択

それぞれの意思決定者は

1:出版社 → 2:文部科学省 → 3:教育委員会・(国私立学校の)校長

となる。


この流れを記した2つの資料がある。ひとつは、外務省が海外向けに記した教科書検定制度の資料。ひとつは、東京都が教科書を採択するためにと作った調査研究資料だ。


日本の教科書検定制度
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/kentei.html

外務省の資料。こちらでは、教科書が本の形に成立していく段階を説明している。この資料によれば、


1:編集・執筆

まず、編集執筆作業がある。教科書は国ではなく、民間企業が作るものだとしたうえで、

学習指導要領に沿ったものでなければなりませんが、それ以外については、出版社は自社の教え方や考え方を内容に盛り込むことができます。

と述べる。

出版社は学者や教師を集めてチームをつくります。このチームが内容や編集方針に関する議論を行いつつ、教科書を執筆します。


2:検定

編集・執筆作業が終わった後は、検定作業に入る。検定の仕事は文部科学省の範疇だ。教科書にふさわしくない文言があった場合、

ふさわしくない文言について再度検討するように出版社に伝えます。

ただし、

なお、この過程は1989年にかなり簡略化されたため、出版物における出版社の表現の余地は拡大しました。修正が求められても、教科書自体が不合格となることは極めてまれとなっています。

とのこと。

3:採択

いくつもの会社が教科書検定には参加するので、「教科書です」と検定を通過する出版物はひとつではない。そのため、それらの複数の「教科書候補」から、使う教科書を比較検討し、選ぶ必要がある。この作業を行うのは、

どの教科書を使用するかの最終決定は公立学校であるならば地元の教育委員会に、私立学校であるならば各学校に委ねられます。

注:国立の学校では、その学校の学校長に選択権がある。

ここで選ばれれば、「教科書候補」は「教科書」へと格上げ。来年からしばらく使われ続けることになる。


この採択作業に使用できる(使用した)研究資料を、東京都が公開している。

 

平成18〜21年度
  中学校用教科書調査研究資料について

http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/shidou/18textbook.htm

内容、構成・分量、表記・表現及び使用上の便宜の3区分とした。
(中略)
内容についての調査項目は、学習指導要領の各教科・分野の「目標」や東京都教育委員会の教育目標等を踏まえ、事項別にこの「目標」等と関連する各教科書の内容(項目)について概括的に調査研究し、その結果を数値データとして一覧表で示した。
構成・分量、表記・表現及び使用上の便宜については、
(中略)
教科書の数値データについて一覧表にまとめ,各教科書の対比が容易に行えるようにした。
数値データの形にして、比較ができるようになっているのがポイントのようだ。

何かと問題になることの多い、歴史の教科書を見てみよう。このジャンルでは、8つの「教科書候補」が検定に合格誕生している(東書、大書、教出、清水、帝国、日文、扶桑社、日新)。これらの中から、どういう基準でどれを採択し「教科書」にするのか。


1)内容・・・主に7基準

a 歴史上の人物を取り上げている箇所数
b 現在に伝わる文化遺産を取り上げている箇所数
c 国際関係・文化交流を取り上げている箇所数
d 他民族の文化・生活等を取り上げている箇所数
e 東京に関する歴史的事象(身近な地域の歴史)を取り上げている箇所数
f 人権に関する課題を取り上げている箇所数
g 学習指導要領に示していない内容

このうち、「g 学習指導要領に示していない内容」を例外として、すべてそれぞれの個数がカウントされ、比較されている(gは、その内容まで記した一覧表が作成されている)。


2)構成・分量・・・主に5基準

a 時代区分別のページ数と総ページ数に占める割合
b 文献資料の数
c 読み物資料の数 個
d 学習のまとめの数
e 研究問題の数


3)表記・表現及び使用上の便宜・・・主に5基準

a 年表の数
b さし絵・写真、地図、統計、図表(年表を除く)の数
c 注記の数
d 索引の項目数
e 編集上の工夫・その他

このうち、「e 編集上の工夫・その他」を例外として、すべてそれぞれの個数がカウントされ、比較されている(eは、文章での記載が行われている)。


これらの資料は、どういう基準で教科書候補を見ているのか、手元にある教科書をどのように見ればよいか、ということの参考になるだろう。(榊原



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